【保存版】「現場で使える」オンライン・ブレインストーミング 完全公開! その1 Miro x Zoom編

新しいものを生み出す「アイデア発想」ワークショップをオンライン化するのは難しいと思われている方が多いのではないでしょうか? 当初、私も「シンプルなものはできそうだけれど、複雑なものはちょっと難しいのでは?」と思っていました。

しかし、3密状態になってしまう一般的な「アイデア発想」系のワークショップは、新型コロナウイルスの影響で一切実施できなくなったため、オンライン・ブレインストーミング(以下、オンライン・ブレスト)の開発に取り組み始めました。

オンライン・ブレストは十分に実用的だった!

紹介する手法は、進行していたプロジェクトで試験的に導入し、成果が出たものです。例えば、私が担当した「時の流れをつむぐ酒 敷嶋0歩目」というプロジェクトでは、2月から3月にかけて、オンライン・ブレストを用いて、ブランディングの設計とコンセプト化までを実装しました。

また、現在開催中のチャリティイベント「Maskarade (マスカレード)世界おしゃれマスク選手権大会 」でも、名称・サブタイトルの検討、企画の設計やプロジェクトマネジメントに使用しました。

開発した3つのオンラインブレインストーミングの方法を公開!

Afterコロナ、Withコロナとも呼ばれる次の時代に備えるために、試験導入により、効果があった手法3つに厳選し、オンライン・ブレインストーミングの知見を全公開することにします!

いずれも、生まれたての“デザイン・クリエイティブの現場で本当に使える”効果的な3つのオンラインブレインストーミングの方法です。 Stay Homeしながらアイデア創出するのに、ご活用いただければ幸いです。

1.コラボレーションツールと通信ツールを用いたオンライン・ブレスト(MiroとZoomなど)

2.クラウドドキュメントと通信ツールを用いたオンライン・ブレスト(Google DocsとZoomなど)

3.SNSやプロジェクトマネジメントツールと通信ツールを用いたオンライン・ブレスト(Asanaとメッセンジャー、FacebookとZoomなど)

本記事では、MiroとZoomを用いたオンライン・ブレストの詳細な方法を紹介します。いずれの手法も、「アイデアを形にすることが仕事」のクリエイター/デザイナーが考案したワークショップです。

「アイデアが形になる」ことを最低条件に、短期間で高いクオリティ、さらに「人の心を動かすもの」をアウトプットに見すえて「デザイン・クリエイティブや事業創出の現場で本当に使える」ワークショップを目指しています。

コラボレーションツールと通信ツールを用いたオンライン・ブレスト

まずは、今話題のオンラインコラボレーションツール、MiroZoomを使ったブレインストーミングの方法です。

Miroは付箋やマインドマップなどをデジタルで可視化、再現できるツールです。無料で3つのボードが作れ、何人でも参加者を無制限で招待できます。実感としては、40人ほどで同時に接続しても特に大きな問題はなく使用することができています。

そのままブレインストーミングに使えるかと思いきや、従来のブレインストーミングの方法、「①付箋に書く②場に出す③喋る」というプロセスだと、「ブレインストーミング自体」の慣れ・不慣れ、そして「Miroの操作」の慣れ・不慣れ、両方の影響で戸惑いが生じることがわかりました。

そこで、以下の工夫をしました。

  • 自分のアイデアを出すステージ(場所)と、全員のアイデアを出すステージを予めMiroに設ける
    • オンラインだと画面が広すぎるため、どこにアイデアを出せばいいか分かりづらくなるので、明示します。
  • 「初めに4分間アイデアを書き溜める、それをステージに出してから説明する」という新方式を導入する
    • この方式により、オンライン・ブレスト初心者の方も、上級者の方も、無理なく自分のアイデアを出せるようになります。
    • ランダムにアイデアを出さずに、アイデアを出すターンを設定し、ファシリテーターが場を回していきます。このとき、自分の出したアイデアの中に似ているものがあったら、ステージに重ねてアイデアを出せるよう、最初に案内してください。そのあとに続く、アイデアのグループ化を簡略化できます。

Step 1 準備 クリエイティブ思考的アイデア発想法の前提条件の共有

クリエイティブ思考のアイデア発想法は、Step 1:準備、Step 2:発散、Step 3:収束、Step 4:結実、Step 5:磨き込み、Step 6:完成という、6つのステップで成り立っています。

一般的なアイデア発想法では、Step 3かStep 4までを指すことが多いようです。しかし、クリエイティブ思考的アイデア発想では、前提として「形にすること(=コンセプトや企画書、ブランドや製品・サービスなど)」をアウトプットとするため、「結実」のステップで一度アイデアを確定させながらも、さらに「磨きこみ」をし、「完成」させていくまでを範囲として設計しています。

ポイント

環境を整え、考えうる限りのアイデアを出し、それらを整理、1度ラフに形にしたのちに、磨き込み、絞り込んで完成させていきます。1つでなく複数結実させ絞り込んでいくところがアイデアを形にするコツです。

Step 1 準備1 Zoom、Miroの各リンクのシェア

まず、準備として、全員が通話アプリ(今回はZoom)でつながり、Miroのリンクを共有し、ブレストを実施するMiroを開きます。

Miroでリンクをシェアする方法は、Boardを作ったあとで、右上にある「Share(シェア)」ボタンを押し、一番上の「Copy invite link」ボタンを押すとURLがクリップボードに保存されます(Control+Cでコピーしたときと同じ状態になる)。その後、貼り付け(Control+V)することでURLを書き出すことができ、シェアすることができます。

そして、ファシリテーターがブレインストーミングのお題(問い)と最終成果物を設定します。

Zoomを用いると、画面共有の機能により、Miroのどこを見ればいいのかをファシリテーターが明示でき、インストラクションをしやすくなります。また、参加者を小グループに分ける「ブレイクアウトルーム」を使えば、大人数のワークショップにも対応できます。

Step 1 準備2 役割の設定

参加者の役割を決めます。スライドを使って、司会進行するファシリテーター、タイムキーパー、書記を決めます。それぞれの役割を担う人もアイデア出しに参加することができます。ファシリテーターが書記を兼務しても構いません。1つのグループの最大人数は8人が適切です。

Step 1 準備3 アウトプットの確定

次に、ブレストにより、最終的にどんなアウトプットを出すかを決めます。今回は「コンセプト」をアウトプットとして想定していることにします。

コンセプトは企画やデザインの根幹です。放送作家である石田章洋氏は、著作『企画は、ひと言。』(日本能率協会マネジメントセンター、2014年刊)の中で、コンセプトの定義を「中身が見えるひと言」と説明しています。つまり、内容ややらなくてはいけない事が明確にわかるひと言のことです。

今回は、この定義を元に、Step4「結実」では、こちらの本で紹介されている「コンセプトを生み出すための4つの型、フレームワーク」を使用することにします。

なお、企画書をアウトプットにする場合は、「企画書の構造的フレームワーク」を、プロジェクトになる場合は「プロジェクトのフレームワーク」を、ブランドになる場合は「ブランドのフレームワーク」を用います。つまり、アウトプットするものにより「結実」の進め方が変わっていきます。

もし、アウトプットを変えたい場合には、今回の記事を参考にしつつ、それぞれ既存のフレームワークや、自社にあるフレームワークを用いるとよいでしょう(弊社の手法に興味がある方は、こちらからお問い合わせください)。

Step 1 準備4 アイデア発想のグランドルールの共有

ブレインストーミングのグランドルールは4つあります。

  • 判断保留 アイデアを批判せず、ポジティブマインドで。
    とりあえず、その場で判断することなく、まずはどんな意見でも受け入れる。
  • 自由闊達 自由に思いついたことはどんなことでも話して良い。
    正しいとか、正しくないとかの話ではないので、思いついたことをなんでも自由に話す。
  • 質より量 アイデアは質より、量を重視する。
    些細なことでも、一見すると面白くないことでも、頭に浮かんだことはすべて出す。それらがヒントになることも多く、頭に引っかかっていると他のアイデアが出にくくなるし、出すことによってわかることがたくさんある。
  • 結合改善 お互いに刺激し合いながら、より良いアイデアを創出する。
    相手の出したアイデアを改良して自分のアイデアとして出してもよい。
    誰が言ったかが大切ではなく、より良いアイデアに進化させられたかの方が大切。

これらを参加者と共有します。

Step 2 発散1 4分間のブレインライティング

グラウンドルールを共有したら、次は「ブレインライティング」について、参加者に説明します。ブレインライティングとは、各自がランダムにアイデアを出す従来のブレストではなく、まず、黙々と自分のスペースにアイデアを書き出していく方法です。

Miroに設けたフィールドを見せながら、自分がアイデアを出す場所、全員のアイデアを出していく場所をファシリテーターが説明し、アイデアを出していく場所に「問い」を書き込みます。次に、参加者に対して各自がアイデアを出す場所の指定をしてください。そして、その場所に、各自で名前を書いてもらい、 自分の場とします。

例:

ポイント

ブレインライティングの方法と同時に、ツールの操作説明もこの段階で必ず行いましょう。アイデア発想を行うWebツールとして、今回はMiroを用いていますが、どのオンラインツールを使う場合であっても、まずは「初めてツールを使用する方」へのケアをするようにしましょう。

各ツールによって付箋の出し方の操作は異なります。そこで、4分間のブレインライティングをはじめる前に、付箋の出し方について説明をするとよいでしょう。

極力シンプルにするため、最低限の機能を説明します。Miroであれば、①付箋の作り方、②コピーの方法、③付箋への文字の書き方、④フィールドへの四角の描き方、⑤フィールドへの文字の書き方に、⑥ロックの仕方について、5分ほどでレクチャーしておくとよいでしょう。

4分間のアイデア出し

4分間、時間を計り、ブレインストーミングを開始します。

各自がランダムに「①書く②話す③繰り返す」という従来の方式ではないことを再度アナウンスしてください。アイデアを書き出したら自分のアイデアを出しやすいように似たものを近づけてグループ化しておきます。

例:

Step 2 発散2 アイデアを場に出しシェアする

4分間のブレインライティングが終わったら、最初にアイデアを出す人を決めて、一人目がアイデアを「アイデアを共有する場」に出します。アイデアに対して、場に出したときに、思いついた背景や具体的な内容などを説明するルールを設けます。

一人ひとり、アイデアを出すときに説明することになるので、参加者は自分の持っているアイデアが、今、場に出ているアイデアに似ている、もしくは関連していると感じたら、関連するアイデアを場に出すことができます(付箋の枚数に制限はありません)。

各自のアイデアを「アイデアを共有する場」に出している時には、書記がアイデアに対して参加者が説明した内容をメモして、アイデアの後ろに書き足します(書記がいなければ、ファシリテーターが書記を兼任)。

他の参加者はシェアされたアイデアを聞いて思いついたことがあれば、自分のアイデアの欄に書き足しいきます。

一人がおわったら、右回りで回していきます。それぞれの付箋がなくなるまで続けましょう。目安の時間は15分間です。

例:

ポイント

なるべく簡潔にアイデアを伝えるのがコツです。話しながら思いついたことや補足したいことを話してしまっても構いません。

参加者は自分のアイデアと似ていると感じたら、遠慮なく場に出しましょう。最初は、場に出しづらいと思うので、ファシリテーターがアナウンスしながら、進めるとスムーズです。

Step 2 発散 アイデア発想とMiroに慣れてきた場合 (中級者から上級者編)

アイデアを出すことに慣れてきている場合は、自分の陣地を作らずに、そのまま場の中でアイデアを付箋に書いて、シェアします。アイデアを書き、書いたら発言してシェアする。これを時間まで繰り返して いきます。アイデアを出したとき、また聞いたときにその場でまた思いついたことも発言し、 足すことができます(ファシリテーターが書いて足します)。

ポイント

似ているアイデアがすでに場に出ていたら、自分のアイデアを場に出すときにそのアイデアの近くに置くこと。このひと手間により、アイデアをグループ化が迅速に行えるようになります。

Step 3 収束 グルーピング

アイデアの意味が近いもの、概念が近いものを近づけてグループ化します。アイデアの塊ができたら、四角ツールを使ってアイデアを囲み、グループを固めます。

例:

Step 3 収束 ストーリー作り

アイデアをストーリーになるように並べ替えます。アイデアをストーリー化する利点は、バラバラのアイデアを1つのストーリーという形にすることで、アイデアをつなぐために必要なアイデアに気づけることと、アイデアや問いに関する理解を深めることができ、腑に落ちやすいこと状態にできることです。また、ストーリーはシェアすることもできます。

アウトプットを企画書にしているときには、この収束の段階で、出したアイデアがすべて文章になっているので、企画書へののパーツにもなりえます。

例:

ポイント

1つのグループをストーリー化したら、タイトルをつけましょう。この時には、コピーライト(キャッチコピー)を考えるように少し面白いタイトルをつけるのがコツです。

例:

Step 3 収束 スターレイティング

アイデアに☆マークを使って投票します。一人何票でも投票できますが、同じアイデアに一人が2票投票することはできません。

例:

Step 3 収束 インサイト

スターレイティングによって、☆が集まったアイデアを確認することできました。次は、これまでのワークの過程を通して、自分の中で浮かび上がった「インサイト(ワークの前には気づかなかったことや学び、驚きが多いものほど強いインサイトになる)」をシェアしましょう。

インサイトをピンク色の付箋で書きこんで、書いたら発言してシェアしていきます。これを時間(5分間)まで繰り返していきます。

ポイント

インサイトを出した時、また聞いた時にその場でまた思いついたことも、同じようにピンク色の付箋で書き出し、場に出して付け加えていきます。

例:

Step 4 結実

企画書、コンセプト、コピーライト、ブランドなど、結実には様々な形があります。今回はシンプルに「コンセプトを作る」ことをアウトプットとして選択していたので、結実のステップでは、コンセプトの作り方フレームワークを用います。

コンセプトとは

『企画は、ひと言。』で紹介されているフレームワークを用いながら、今まで束やしてきたアイデアやインサイトをを目の前に見ながら、それらを元にしてコンセプトを生み出していきます。

コンセプトとは、『企画は、ひと言。』(日本能率協会マネジメントセンター、2014年刊)の中で、「やらなくてはいけない事が明確にわかる一言」と定義されています。例えば、「会いにいけるアイドル」「家族で遊ぶことができるゲーム」がコンセプトです。

ゴールイメージが明確であることが背景にはあります。皆さんも、この一文を読むと、このコンセプトに到達するためには「具体的にすべきこと」がイメージできるのではないでしょうか。

「会いにいけるアイドル」であれば、テレビの中だけの存在にすることはできません。実際に会いにいける距離で活動をする必要があります。では、具体的に会いに行ける場所とはどこか? どのようにアイドルの存在を設定すれば、ファンから「会いにいける」と思ってもらうことができるか? など、次々とコンセプトに到達するために必要な問いが生まれてきます。

このような「どんな行動をしなければならないか想像がつく言葉」が、コンセプトです。

コンセプトの具体例

他に、具体的にどんなコンセプトがあるか、以下に例示します。

コンセプトが決まれば、このコンセプトを軸として、必要となるそれぞれの機能が、おのずと決まっていきます。

コンセプトのフレームワーク

では、行動指針となるコンセプトは、どのようにつくり出していくべきなのでしょうか? そのときに活躍するのが、石田章洋氏が考案する「4つのコンセプトの型です。

コンセプトには4つの型があります。それぞれ4つの型を書いた付箋を用意しておいて、参加者にコピーして使ってもらうことで、素早く、統一的に、高いクウォリティのコンセプトを出してもらうことが可能になります。

余談ですが、今まで(リアルで)は、4つの型を記載したコンセプトシートをかなりの枚数印刷して配っていたのですが、デジタルになったことでコピーアンドペーストだけで済むようになりました。

参加者に「コンセプト」について解説し、時間を10分とって、4つの型をベースにしながら、コンセプトを全員が共有する場に出していってもらいます。

ポイント

コンセプトの良い悪いは関係ないことをアナウンスしましょう。今までのオンライン・ブレストによって、アイデアが出やすい状態になっています。「思いつくまま、どんなくだらないと自分が思うことでも場にだしてください」と事前にアナウンスをするとよいでしょう。

例:

Step 5 磨き込み スターレイティング

コンセプトが出そろったら、次は「磨き込み」のステップです。まず、出てきているコンセプトに☆マークを投票します。☆マークは1
人何票でも投票できます。 ただし、同じアイデアに2票投票する ことはできません。

3分間でアイデアに投票が終わったら投票の多い順で並べ替えます。

Step 5 磨き込み サークルレイティング

今度は、コンセプトに○マークを投票します。○マークは一人3票だけ投票できます。 ただし、同じアイデアに2票投票することはできません。

2分間で投票時間は終了です。アイデアに投票が終わったら、☆と○を合わせて投票の多い順に並べ替えます。

Step 5 磨き込み ダブルサークルレイティング

アイデアに◎マークを1票だけ投票します。◎マークは一人1票だけしか投票できません。

2分間のアイデア投票が終わったら☆と○と◎を合わせて投票の多い順で並べ替えます。

ポイント

最後のダブルサークルレイティングでは、2分後に一斉に投票をするカタチを取るとよいでしょう。先に投票した他の意見に引きずられない投票結果を得ることできます。

Step 5 清書 コンセプトブラッシュアップ

今まで出してきたコンセプトと、そのコンセプトに対しての投票結果を参考にしながら、もう一度付箋の色を変えコンセプトを出していきます。このときも、4つのコンセプトの型を用います。

10分間、自分の場でコンセプトを書き出します。その後、全体共有する場を用意して、シェアするを10分間繰り返していきます。



ポイント

この「磨き込み」こそが、ワンランク上のコンセプトを出すためのワンステップです。苦しいと思いますが、最後の最期までアイデアを絞り出しましょう。

Step 5 最終投票 スターレイティング

まず、コンセプトに☆マークを投票します。☆マークは一人何票でも投票できます。 ただし、同じコンセプトに2票投票する ことはできません。

3分間でコンセプトに投票が終わったら、投票の多い順で並べ替えます。

Step 5 最終投票 サークルレイティング

コンセプトに○マークを投票します。○マークは一人3票だけ投票できます。 ただし、同じアイデアに2票投票する ことはできません。

そして、2分間でコンセプトに投票が終わったら、☆と○を合わせて投票の多い順で並べ替えます。

Step 5 最終投票 ダブルサークルレイティング

アイデアに◎マークを投票します。◎マークは一人1票だけ投票できます。 2分間で投票が終わったら☆と○と◎を合わせて投票の多い順で並べ替えます。

ポイント

最後のダブルサークルレイティングでは、2分後に一斉に投票をするカタチを取るとよいでしょう。先に投票した他の意見に引きずられない投票結果を得ることできます。

Step 6 完成

お疲れさまでした!
とうとう、完成のステップに到達しました。

出そろったコンセプトに対して、磨き込みを経たことで、かなり精練されたコンセプトが目の前に広がっています。この中から、最後に「これだ!」と言うものを選びます。

本記事で紹介したオンライン・ブレストを実施すると、1時間半ほどかかります。最初は、人数を少なくして試してみることをお薦めします。馴れてきて、ファシリテーターできる人が育ってきたら。大人数でも、一気にブレインストーミングをすることができます。

ZOOMは、ブレイクアウトルームという小部屋を作ることができますので、小部屋ごとにファシリテーターを置けば、大人数になっても、小部屋の数だけ一気にオンライン・ブレストを実現することができるでしょう。また、運用を工夫をすることでテーブルファシリテーターを置く事なく、大規模なオンライン・ブレストも可能です。

次回は
クラウドドキュメントと通信ツールを用いたオンラインブレインストーミング(Google DocsとZoomなど)
です。お楽しみに!

イノベーティブナイト ONLINE Vol.001 〜Withコロナ時代のソーシャルイノベーション〜 [Event]

新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が出された日本。

停止する経済活動。
見えない敵と戦う圧迫感。

未曾有の状況に置かれている今、多くの企業、そして個人が、今後、どのように活動していくべきなのか、考えるべきタイミングとなっています。

この危機を脱する切り札となるのが「ソーシャルイノベーション」ではないだろうか?

その問いについて検討するため、「Withコロナ時代のソーシャルイノベーション」をテーマに、本イベント「イノベーディブナイト」を企画しました。

記念すべき第1回のゲストには、行政史上最大規模の発行部数を誇る防災ハンドブック「東京防災」をはじめ、様々なソーシャルデザインを世に送り出してきたデザイナー、NOSIGNERの太刀川英輔氏と、幸福学の第一人者である慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の前野隆司教授をお迎えします。

ソーシャルイノベーションの雄である太刀川氏、幸福学の側面から企業のイノベーションを支援する前野教授という、二人の創造性にあふれた対談が、参加される皆様に、これからの「Withコロナ時代」を生きるためののヒントとなれば幸いです。

●イベント概要

イノベイティブナイトは、①ゲストのプレゼンテーション、②ゲストの対談、そして③参加者同士で理解を深めるための対話の3部構成で展開します。

こんな方にオススメ

・現状に不安があり、自分で何か切り開く一歩へのヒントがほしい
・社会に何か貢献をしたいが、具体的になにをすればいいかわからない
・自分のアイデアで世の中を変えてみたい、何かしてみたい
・二人の話をとにかく聞いてみたい

●チケット
Peatixにてチケットを販売中です。
早割チケット(懇親会参加)¥2,000
早割チケット(懇親会不参加)¥2,000
通常チケット(懇親会参加)¥3,000
通常チケット(懇親会不参加)¥3,000
https://peatix.com/event/1473924/view?fbclid=IwAR2lmSJ4ZrVoNmZXkQmHIe3hU0_TLHkJSHlVEaLg9WPksRW1yui6qV82h34

●プログラム

第一部

①ゲストプレゼンテーション 15分x2
-太刀川英輔氏 プレゼンテーション
-前野隆司氏 プレゼンテーション

②太刀川英輔 x 前野隆司 対談 「コロナ時代のソーシャルイノベーション」 45分

③参加者同士で理解を深めるための対話 20分

④質問タイム 25分

第二部

懇親会 1時間程度
懇親会にはゲストの二人が参加されます!
今回のテーマに関係ない質問などをされたい方、同じテーマに興味のある人と知り合いたい方、ぜひご参加ください。

※イノベーティブナイトは、毎回ゲストを迎えて、イノベーションやソーシャルイノベーションについてお話いただき、理解を深めていただく夜会です。 ソーシャルイノベーションに興味を持つ入り口になれればと思っています。

※クリエィティブ思考協会では、創造的思考を支援するツールや発想法を用いることによって、組織体や個人の創造性育成を様々な形で支援しています。クリエイターが用いているデザイン思考、ブランディング思考、エディトリアル思考などの創造的な思考法(=クリエイティブ思考)を研究・体系化し、社会に広め、それにより、イノベーションを促進し、幸せな未来/社会の創生に寄与することをミッションとして掲げております。

[展示] [横浜ガジェット祭り2019] 創造性支援ファシリテーションロボット ニコライ・フォン・ヒラメキノフ世界初公開

10月25日、26日の2日間、横浜ガジェットまつり2019に参加しました。創造性支援・ファシリテーションロボット「ニコライ・フォン・ヒラメキノフ」の世界初公開の場として、富士ゼロックス横浜みなとみらい事業所にて、コンセプトとプロトタイプの展示をさせていただきました。
創造性支援・ファシリテーションロボットとは、新しい事業創出の時など、「アイデアを考えるための会議」の進行や構成をしてくれる「クリエイティブパートナー」です。
この「創造性支援・ファシリテーションロボット」というコンセプトは、シンギュラリティ大学グローバルインパクトチャレンジ2018(GIC)のファイナリストとして選出されたものであり (リンク:事業アイデアコンテスト、GIC 2018にて、ファイナリスト進出!)、Fuji Xeroxで開発されている創造性支援・マインドフルネス導入ロボットSHIROMARUの前身、大もとのコンセプトであったROXの思想と魂を引き継いだロボットになります。
ヒラメキノフ は、ROXのアイデアと外装のデザインを担当したプロダクトデザイナー、竹中明教氏に「ミッドセンチュリーのスペースエイジデザインを継承したロボット」というデザインコンセプトのもと、プロダクトデザインを担当していただきました。Fuji Xeroxはヒラメキノフ にとって聖地であり、この会場で世界初公開展示ができたことは大変嬉しいことだと思います。
実現が難しいとも思える「ロボットによるファシリテーション」は、クリエイティブ思考の研究で生まれた「ファシリテーターに依存しない汎用性のあるアイデア発想法」二極ブレインストーミングの完成と実践、3DプリンターやCNC回転旋盤などのデジタル手工業の普及とシェア工房 Techshop Japanの協力、ラズベリーパイなどのマイコンの普及、そして、3Dモデリングの汎用化により、実現可能となりました。
ヒラメキノフの開発と同時に、クリエイティブ思考協会で提供している創造性を高めイノベーションを目指す研修「クリエイティブ・コアトレーニング」も紹介させていただきました。http://creativeintelligence.or.jp/dl/cct.pdf
横浜ガジェットまつり2019は今年で5年目になる横浜のクリエイティブ、ものづくりの祭典で、弊社大川陽介がFUJI Xerox時代に関わっていた大イベント。今年も規模を大幅に拡大し、大盛況のうちに終わりました。
Creative Partner: Nicolai von Hiramekinov Project
Creative direction: Tetsuya SHIBA, Yosuke OHKAWA, Ikue UENO
Art direction: Tetsuya SHIBA
Product Design: Akinori TAKENAKA
Hardware Development: Tetsuya Shiba
Software Development: Tetsuya SHIBA, Suguru OHKI

クリエイティブ思考協会 新宿支部 開所式

一般社団法人クリエイティブ思考協会は、新宿に支部の事務所を開設することになりました。(本部はあくまで横浜です!)

山本 洋之 (Hiroyuki Yamamoto)さんの合同会社スマイルファクトリーとオフィスをシェアさせていただく形です。
2019年2月18日に、本格的な神前の開所式を執り行っていただき、無事、事務所開設となりました。

– 会社の存在理由まで掘り下げるブランドコンサルティング・研修

– 形になるイノベーションコンサルティング・研修
– 創造性を高めるクリエイティブコンサルティング・研修
などご興味をお持ちの方は、

新宿らしく、シティーハンターのように「xyz」とコメントやメッセージに書いてお知らせいただければ幸いです。

伊豆の杣人舎(そまびとしゃ)新規ブランド / 事業創出コンサルティングと発表

3331 Arts Chiyodaなどを手掛け、リイノベーションまちづくりを牽引する清水 義次 (Yoshitsugu Shimizu)先生と、『熱海の奇跡』の著者である市来 広一郎 (Koichiro Ichiki)さんが仕掛ける、市民会議「ATAMI 2030会議」が、先日(2019年2月16日)に開催されました。「熱海の街で欲しい暮らしを作っていく」をテーマにしたその会議で、クリエイティブ思考協会でコンサルティングのお手伝いをした「一般社団法人 伊豆の杣人舎(いずのそまびとしゃ)」さまが、新規事業を発表しました。

 

熱海のMOA美術館(MOA MUSEUM OF ART)の能楽堂にて、熱海市長、副市長など蒼々たるメンバーを前に発表するというまさに檜舞台。

伊豆の杣人舎さまは、「森と人をひとつながりにする」をコンセプトに、きこり、フローリスト(フラワーデザイナー)、庭師、鍼灸師、調香師からなる多技能の森のスペシャリスト集団です。「森も、人も豊かになる。」という、皆が生き生きとし、森と1つになる未来をビジョンに据え、林業をはじめ、森空間事業や森の香り事業などを展開し、森と人が抱える課題の解決を目指しています。

今回、彼らが発表したのは、森に会える空間「森の入り口」です。

都会のオフィス空間に「熱海 / 伊豆の森を出現させてしまう」という、創造性を高めるオフィスグリーンを提案し、実際に会場のフロアの一部に実物の展示も行い、大好評でした。

伊豆の杣人舎さまとの御縁は、ATAMI 2030会議を主催する清水先生、市来さん両名が、弊社が「新規ブランド・事業」コンサルティングさせていただいた渡辺 ノリタカ (Noritaka Watanabe)さんの「熱海 恋愛デザイン事務所」の結果を覚えていてくださっており、ご紹介いただいたとのことでした。技能集団として、事業自体を形にすることはできるものの、事業の伝え方などに課題があることを伺ったので、その課題を解決するために、3日で4回、合計14時間の「新規ブランド / 事業創出」セッションを実施。無事に、「ATAMI 2030会議」の発表までに、先に挙げた組織のビジョン、ミッションを形づくることができました。

 

さて。気になる発表の結果ですが……・。

なんと! 副市長が実際に購入を検討する話の流れになるという盛り上がりをみせたほか、顧客となる市や企業の方からお問い合わせを複数件受ける結果となりました!

少しでも、伊豆の杣人舎さんのお役に立てたのかなと、ひと安心。今後の事業拡大を応援していきたいと思います!

祝一周年 Creative Intelligence. As. 一般社団法人クリエイティブ思考協会

1月23日、慶應SDMの恩師、前野 隆司 (Takashi Maeno)教授、 上野 郁江 (Ikue Ueno)さん、大川 陽介 (Yosuke Okawa)さんと立ち上げたCreative Intelligence. As. (クリエイティブ思考協会)が一周年を迎えました。

そして、熱海で1つ創業支援・ブランディングコンサルティングのお話がまとまったり、事業用の印鑑を彫り直したりと、幸先の良いスタートとなりました。

最初の1年は土台を作るため、様々な実験的な事業を展開しました。その中で事業内容も

「イノベーション・ブランディング・クリエイティブ(創作)のコンサルティングと研修事業」
「まちづくり事業」
「創業支援事業」

と固まってきました。また、それらを可能にするための創造性を高める方法の研究と実践を行っていきたいと思っています。

次の一年は上記の事業に加え、

– 横浜の街とイノベーションに関するイベント「イノベイティブナイト YOKOHAMA」の開催
– 創造性支援ファシリテーションロボットの開発
– 新しいイノベーションを生み出す研修の公開

など構想を形に変えていければと思います。

目指すは「すべての人のクリエイティビティを解き放ち、1億2000万個のイノベーションが起こる未来の創造」です!

 

ちなみに、大川さんはONE JAPANで「仕事はもっと楽しくできる――大企業若手 50社1200人 会社変革ドキュメンタリー」(http://urx.red/PBjx)を、

上野さんも「才能に頼らない文章術」(http://urx.red/PBjC)を、

前野先生は相変わらず精力的にたくさんの本を出版。

 

そして、僕の本「アイデアが出なくてもう無理!と思ったら読む本 ニューロン発想法」(http://urx.red/PBkH)を合わせて、理事、全員出版が達成しました!

 

 

次の一年もよろしくお願いいたします

「熱海 恋愛デザイン事務所」創業支援ブランディング・事業コンサルティング

クリエイティブ思考で、ブランド・コンサルティングをさせていただいた渡辺 ノリタカ (Noritaka Watanabe)さんが起業されました。

その名も

「熱海 恋愛デザイン事務所」

女性の社会進出が進んでいると言われつつも、まだまだ男性優位のビジネスの世界で働いていると、仕事と恋愛を両立することは難しい傾向があります。恋愛観の草食化も合間って、晩婚化、少子化が加速している現状があり、「恋愛」は実は社会問題になっていると言うこともできます。

インターネット上の得意を仕事にするサイト ココナラで、200件におよぶ恋愛相談にのり、4.9の評価を受けている渡辺さんは、その経験から、

①相談者には自分らしい恋愛とは何か明確になっていない傾向があること
②実は、気軽に恋愛相談できる場所がないこと
③ちまたの恋愛相談では解決策までたどり着くことができるものが少ないこと

に気づき、同時に、「いくら恋愛相談を聞いても疲れないらしい」自分の体質を発見します。

「課題」と「得意」が重なり合った「恋愛コンサルタント」として起業するいう発想に至ったとのこと。

その想いを、クリエイティブ思考のブランド・コンサルティングメソッドと事業開発メソッドを使い、ワークショップ形式で引き出しました。そして、

-ブランドキーワード
-性質
-ビジョン
-ミッション
-コンセプト
-コピーライト
-事業プラン
など

に落とし込みました。その結果、「恋愛をデザインすることで、人生をデザインすることができる」と気づきだし、ブランドと事業を創り上げました。

 

「熱海の街」で、創造的問題解決手法である「デザイン思考」や「クリエイティブ思考」を駆使して、

『相談者の「自分らしく生きる人生」「いつも幸せな状態」を作り出すことをサポートし、相談者の恋愛をデザインする』というビジョンと、

そのために、「お客様の声を引き出し、一緒に幸せの形を見つけ、未来を創造する」というミッションを掲げ、

「自分の人生をデザインできるようになる恋愛コンサルティング」というコンセプトの「新しい恋愛相談事業」を協創しました。

そして、熱海の起業プログラム99°に参加され、事業プランをさらにブラッシュアップし、200人の前で、プレゼンテーション。審査員をされていた街づくり界のヨーダ(!?)こと、清水 義次 (Yoshitsugu Shimizu)先生から「完成だね。満点だね!」という言葉をいただきました。

「熱海の街」に根ざし、街づくりの起点として、有名なゲストハウス maruyaで働く彼は、恋愛コンサルティングと恋愛相談を中心に事業を展開しつつ、宿泊業と連携した恋愛宿泊プランや恋愛合宿なども展開しています。

東京から新幹線で45分、1時間半と
実は遠いようで近い「熱海」。

心休まる保養地で、温泉につかり、旅気分・合宿気分を味わいながら、恋愛コンサルタント / 恋の一級建築士の渡辺さんと「恋愛で人生をデザイン」してみませんか?

http://renaidesign.at/

「自分の夢と社会をつなげるイノベーションの授業」

先週、4月16日(月)、慶應義塾大学 現代ビジネス論「Make Great Ideas」の第2回を実施しました。テーマは前野教授による「幸福学とイノベーション」。

前野教授による「幸福度が高い人は創造性が3倍高い 」というアメリカの研究成果の話から講義がはじまり、「長続きしない幸せと長続きする幸せの話」のほか、1500人の日本人を調査した結果わかった「幸福の4因子」の話がなされ、その後、「ハッピーワークショップ」と続きました。

ハッピーワークショップでは、幸福の4因子を使い、「あなたが、人生の中で本当にやりたいことはなんですか?」という問いに答えてもらいました。最初は気恥ずかしい雰囲気ではじまりつつ、徐々に学生たちは、お互いに「夢」を言葉にしていきました。

なぜイノベーションに幸福学や「夢」の話が必要なのでしょうか。
それは、イノベーションを実現するための「強い動機」をデザインするためです。

僕は、100個を超える新規プロジェクトの創出を支援してきましたが、その中でも「成功するもの」「形になるもの」もあれば、「一回で終わるもの」「形にならないもの」「途中で消えてしまうもの」などもありました。

その経験から学んだことは、

・強い動機、中でも「夢」がイノベーションを起こす源泉になりえること
・アイデアを実現して周囲に影響を与えられるかは、アイデアの段階で決まっていること
そして何より、
・強いアイデアのつくり方は学ぶことができるということ

です。

現代ビジネス論「Make Great Ideas」の第3回以降、僕も担当していきます。

そこで学生に伝えたいことは2つ。1つは、社会に影響を与えるイノベーションの実現に向けて、まずは、「自分の夢を知ること」、夢をベースにしつつ「動機を作ること」、そして、「動機を強いアイデアと繋げること」。

そしてもう1つ。強いアイデアのつくり方は後天的に学ぶことができるということ。つまり、誰しもが、クリエイティブになれるのです。

この考えを、授業で展開していきたいと思います。

事業アイデアコンテスト、GIC 2018にて、ファイナリスト進出!

1月28日、シンギュラリティ大学が主宰する「グローバルインパクトチャレンジ 2018 (以下GIC:SingularityU Japan Global Impact Challenge 2018」)」にて、ファイナリストに選出され、東京ミッドタウンでプレゼンテーションしてまいりました。

 

 

シンギュラリティ大学は、アメリカのNASAの敷地内にあり、Googleなどが出資している、世界最高峰の起業家育成機(http://ja.catalyst.red/articles/singularity-university-1/)であり、GICは、シンギュラリティ大学の創業支援プログラムへの参加権をかけた事業アイデアコンテストです。世界各国で開催されており、1カ国1名〜2名が選抜されます。日本では、去年に引き続きSONYのスポンサーの元、2回目の開催でした。

 

今回のコンペティションのテーマは、

 

「日本人1億人の生活の質を5年で向上させるムーンショットアイデア」

 

というものでした。ちなみに、ムーンショットとは、ケネディ大統領の「月面ロケット計画」のような「壮大な挑戦」を指します。

 

僕たちの提案は

「創造性支援ファシリテーション・トレーニングロボットの開発および、同ロボットを用いたリースとコンサルティング事業の提案」というもので、クリエイティブパートナーであるSHIRO-MARU(創造性支援ロボット)により、クリエイティビティを解き放ち、企業による新しい価値の創出と、イノベーションを促進する事業展開を提示しました。

SHIRO-MARUはOne Japan/Fuji Xerox が「創造性支援」ために開発した「世界初、マインドフルネス瞑想(禅)導入ロボット」(https://creative-flower.jp) として発表され、「人工知能EXPO」などにも出展し、現在、国内外で話題になっています。(http://emira-t.jp/topics/2049/)

事業提案のポイントは、創造性の民主化を目指す“ハード”であるSHIRO-MARUに、“ソフトウェア”である、①イノベーションに繋がるコンセプトを生み出す「二極ブレインストーミング」と、②創造性を高めるためのトレーニング手法を合体させる点です。これにより、人々の創造性を高めるファシリテーションができる「世界初のイノベーション支援ロボット」が誕生する、というコンセプトでした。このコンセプトに至った背景には、AI/ロボットと共存していくためには創造性が大切だと考えている我々のスタンスがあります。人間の代替となるロボットではなく、人間の創造性を高める支援をしてくれる「能力開発型のロボット」こそが、今後の社会で必要なのではないでしょうか。

 

結果は・・・

 

惜しくも賞を逃してしまいましたが、手応えのあるプレゼンテーションで、運営側からも「選には絡んでいておしかった」というお言葉をいただいたので、有意義な発表となりました。

 

去年のシンギュラリティ大学GIC2017の時に「Democratize Creativity〜創造性の民主化」というテーマを見つけ、イノベーションと創造性を支援する手法をとして、二極ブレインストーミングという手法を開発しました。

 

二極ブレインストーミングが完成後、そしてGIC2018の直前に偶然、同じ「創造性の民主化」というコンセプトでロボットを開発していた大川陽介と出会ったことが、今回決勝まで行けた要因だと思っています。ロボットというハードウェアに、手法を掛け合わせることで、人々の創造性を高めるファシリテーションができる「世界初のイノベーション支援ロボット」のコンセプトが生まれたのです。これが俗にいうセレンディピティ(必然性を伴う偶然)というものなのかもしれません。

 

 

今回のGICでの英語プレゼンテーションが、クリエイティブ思考協会、共同代表としての初仕事となりました。今回のプレゼンテーションの手応えにより、創造性支援ロボットの可能性をさらに確信したので、さらに開発に熱がこもりそうです。